マンガがあればいーのだ。
【お知らせ】5/16〜5/31まで「みつどもえ人気キャラ投票」やってます!!
     皆様の清き一票どうぞよろしく御願い致します〜
【メモ1】「ぱんつ解体新書」は冬コミを持ちまして完売しました。ご了承下さい。
     「おっぱい∞アンリミテッド」はただいま「メロンブックス様にて委託中」です!
【メモ2】ただいま「2008年ベストマンガ30+α前編」&「後編」を公開中。
 電子コミックに未来はあるのか・上〜「COMIC SEED!」創刊は何を変える?〜
2006年05月07日 (日) | 編集 |
comicseedsoukan.jpg
月刊WEBコミック誌「COMIC SEED!」創刊号がついに配信されました。

さて装い新たに創刊されたこの「COMIC SEED!」ですが、
この前身的存在である「コミックSEED!」もまだ記憶に新しいのではないでしょうか。

「世界初の完全無料WEBコミック誌」!!という触れ込みで創刊されたのが2002年9月。
約3年もの間、マンガのネット配信におけるリーダー的存在であり、
順調に運営されていたのですが・・・
昨年2005年11月に母体であるぺんぎん書房が倒産。
これにより雑誌自体の運営を続ける事ができなくなりあえなく休刊。
連載されていた作品も路頭に迷う事になります。

そもそもマンガ雑誌というのは、雑誌自体だけだと大幅な赤字らしいです。
勿論全部が全部赤字ではないでしょうけれども、黒字のとこでも収益は少ない。
それをカバーするのが単行本の売り上げ。これで回収して運営が成り立ってるわけみたいで。
となると、要は雑誌は単行本の売り上げの為に赤字覚悟で出してる、と。
ならば莫大な費用(印刷代やら運送費やら)がかかる雑誌自体を紙ではなく電子として配信し、
そこで「読んでもらって」単行本を買ってもらうと。
お気に入りの作品や面白そうな作品はやはり「紙」で手元に残したい。
その心理を見事に突いた良いビジネスモデルだと思うんですよね。

この辺の事情に関しては下記記事がよくまとまってます。
ぺんぎん書房が清算

あとは今回トップを飾っているきづきあきら先生の当時の様子
ぺんぎん書房の倒産と今後の私について

この二つの記事を読めば大体の事の顛末は分かるかと思います。
色々ある大人の事情。


【仕掛けたのは、「幻」の作品】
そんな「コミックSEED!」を救ったのが「双葉社」。
コミックビジネスとしては非常に未来があり収益が見込めるものであるので、
この双葉社の決断は正しかったですし、イキだったと思います。
さてそんな双葉社といえば「コミックハイ!」が有名です。
赤裸々な女子高生の生の姿(?)を描く「女子高生」を筆頭に、
ひとひら」「ぽてまよ」「妄想少女オタク系」あたりが人気ですが、
やはり多くの読者を獲得したのがこの作品。




05-12-12_17-41.jpg
小学3年生がいきなりパンツ脱ぎ出すマンガ「こどものじかん

昨年12月に単行本が発売された瞬間に大ブレイク、
もちろんAmazonでは売り上げ第1位を獲得し絶賛品切れに突入。
昨年の三大難民マンガのトリを飾った作品でした。
参考:これはとても良い萌エロですね・・・今年最後の衝撃作「こどものじかん」

ただこの「こどものじかん」には幻の未収録話があったのです。
それは今の「コミックハイ!」の前身である「COMIC HIGH」で連載された話です。
その辺りの詳しい経緯はヤマカムさんのレビューをご参照して頂ければと思いますが、
フツーに1巻の内容よりも遥かに過激な幻の単行本未収録話
今となっては見る手段がないこの話を求めて彷徨う人をも多数輩出。
まさにその幻の話に異常なるプレミアがついている状態でした。

そんなプレミアがついてる幻の作品を、何と「COMIC SEED!」で無料配信すると!!

この衝撃の発表はネット界に激震を与え、
今まで電子コミックなど興味が無かった人たちにも多大なる影響を与えました。
双葉社の太っ腹っぷりに尊敬すると共に、
いわば客寄せパンダとしては、ネット界では最高級のパンダです。
TVや雑誌や広告ではない、ネットという世界で展開するのであれば、
本当に最高の効果だなぁと。素晴らしい英断だったと思います。
やはり何事も最初が肝心ですからね、物事を始める時は。

さて4月28日に無事創刊、配信がスタートし一目散に「こどものじかん」をクリック。



kodomo_maborosi_1.jpg
いきなり飛び込んできたのは主人公・九重りんのパンツ。

こ、こいつは本物だぜ・・・
すごいです。パンツアタックです。
変態仮面がやると恐ろしいほど引くのに、
小学3年生のパンツアタックにここまで心躍るとは。(別に小学3年生じゃなくてもいい)

まさにこれは幻の未収録話です!
と、いう事は・・・あ、あの幻の名言も!?で、出ちゃうんですか!?




imanaranamadeyari.jpg
初潮前 今なら生で やりほうだい

出ちゃったー!!

多くの読者を虜にした名言です。
その手があったかー!とまさに目からウロコ。
以来、この言葉を胸に生きております。そんな人生。(どんな人生)

そしてこの幻の未収録をプレミアまで押し上げた、あのシーンが・・・!




onakanoitaigeiin.jpg
もっとよく調べないとね、おなかの痛い原因を…」

校長先生出た――!!

超ギリギリシーン・・・こんなの見せられたらそりゃ続きが気になりますよ。
そんな気になる続きは是非「COMIC SEED!」でご覧ください。

こんな話がタダで読めてしまうなんて・・・双葉社グッジョブすぎです。


【「COMIC SEED!」が成功するコンセプト】
そんなわけで順調な滑り出し(?)な「COMIC SEED!」ですが、
やはりそのコンセプトがしっかりしてる所に好感が持てます。
どんなのかと言うと・・・

◇冒頭での広告挿入
◇登録一切不要
◇プラグインフリーの閲覧ソフト


この3つが挙げられます。

◆「COMIC SEED!」の広告
まず「COMIC SEED!」を実際読む際は必ず最初に広告が挿入されます。
大体15秒程度と普通のCMと同程度。
この広告料でどれだけ稼げるかでまた将来的にも変わってくるんだろうなぁと。

現在挿入されてるCMは2種類で、「コミックハイ!」「COMIC SEED!」の広告。



06-05-06_22-51~00.jpg
コミックハイ!の広告

女子高生が自転車に乗ってる姿・・・
しかも直接方式なところがバッチリです。やっぱりそうこなくっちゃ。
参考:「サドルになりたい男、パンチラを気にする女」。自転車の乗り方アンケート結果大発表!

近年TV離れが進み、いかにユーザーにCMを見てもらうか、というのが問題になってる中、
この「COMIC SEED!」を見る人にほぼ必ず見てもらえるというのは大きな効果かな、と。
あとはまだ実装はされてませんが、CM見て気になった人はクリックすれば
そのCMのサイトに行けるとかにすればいいかな、と思います。

また作品と作品の間にも広告があり、そのページに載ってるURLをクリックすると
そのサイトに飛べるのは便利かも。
雑誌などの広告じゃこうはいきませんからね。QRコードとかも面倒ですし。


◆登録不要は敷居を下げる
ユーザー登録や、会員登録。
これって結構面倒なんですよね。
名前やメールアドレスだけとかならともかく、住所やら電話番号やら・・・
最近そういった会員情報が流出するのはもう当たり前みたいになってますし、
出来る事ならそういった登録はしたくない。

だからこそ「登録不要」は非常に入りやすい。

人の行動の邪魔をする一番の要因は「面倒」です。
あとは「時間がかかる」とか。
別にたいした手間でも、沢山の時間を取られるわけでもないのに、
何故か避けてしまうのは人間の性。
勿論それでも会員登録のメリットは非常に多いんでしょうけれど、
電子コミックというジャンルで言えばこれは「正解」だと思うんですよ。

ではパブリッシングリンク社という所が行ってる電子コミック配信。
こちらも無料で一部の作品を配信するというニュースがあったんですが・・・

電子書籍:「ジパング」など3作品を無料配信

会員登録(無料)が必要なんですね。
更には専用ソフトのダウンロードが必要だと。
これがまたネックなわけです。


◆プラグインフリーの閲覧ソフトは楽なんです
とにかく「閲覧」までのステップは少なければ少ない方がいい。
そういう意味で「COMIC SEED!」のステップは限りなく少ないんです。
電子コミックを見るには通常閲覧ソフトが必要な場合が多いんですが、
「COMIC SEED!」の場合はプラグインフリーの閲覧ソフトを採用しており、
ダウンロード不要。

とにかくサイトにアクセスするだけで、読む事が出来る。

これがホント重要なんだなぁと思います。
一度登録&ダウンロードしちゃえば問題ないじゃん、と思われるかもしれませんが、
その「一度が面倒」なんです。それが人間ってやつです。
勿論、その面倒さを補っても余る程の魅力があればまた別ですが・・・


comicseedeturangamen_s.jpg
実際の「COMIC SEED!」閲覧画面 ※クリックで拡大

拡大・縮小も簡単に出来ますし、(右クリックでいつでも簡単に変更可能)
ページを進めるのも楽々。
画像読み込みスピードも許容範囲かなーとも。(もう少し速いのが理想ですが)
ウェブ上で読む閲覧ソフトとしては出来は非常にいいのではないかと。
あとは雑誌をめくる感覚というか、ページをめくる感覚というか・・・
その辺りを更に突き進めて行ったら面白いですねぇ。
(例えばマウスの傾きでページが進んだり戻ったりするとか)

閲覧ソフトの出来、不出来は今後この業界の未来を大きく左右する!・・・かも?


【「COMIC SEED!」から見る、電子コミックの未来】
完全無料&登録不要の電子コミック、という道を示した「COMIC SEED!」。
ただこれは勿論今に始まった話ではなく、すでに3年以上前にスタートしていたサービス。
今回こうして紆余曲折を経てのリニューアルスタートとなったんですが、
これはこれで良かったのではないかと思うんですよ。

すでにビジネスとして成立し始めた頃の挫折。
けれどそれはより良いモノを創り出す為に必要な事だったんじゃないかと。
このビジネスのモデルは、単行本で回収するというマンガ業界の基本的作業が必要なわけです。


◆雑誌を発売する意義とは
ただ通常の雑誌を買ってる人ってのはコミックス購入に至る可能性が低いんです。
コミックスを買う人って「雑誌を買ってない」もしくは「立ち読み」の人なんですよね。
(勿論、雑誌を買ってコミックスも買う人も多数いるわけですが)
じゃあコミックスを買う人は何故そのコミックスを買うのか?

すでにその作品を読んだ人(=雑誌を買ってるor読んでる)人からの評判を聞いて、なんです。

勿論直感で買う人や、作家のファンで買ってる人もいるでしょう。
けどその作品に出会った「きっかけ」って絶対あるわけで。
それは書店員さんの本の配置が自分に合ってたからかもしれないですし、
ネットで見かけた、立ち読みしたら面白そうだった、とかそういった事かもしれません。

そう要は雑誌を発売するという事は、その作品の広告を打ってるという事なんですよ。

雑誌を発売し、その作品を読者に読んでもらう。
その作品を読んで面白いと思った読者は、それを誰かに伝える。
それは友達かもしれないですし、ネットかもしれないですし、店頭かもしれない。
またアンケートを送る事によって編集部に「反応」を送る事も出来る。
その反応を見た編集部が、「作品」に対しての広告の打ち方を考えるかもしれない。

雑誌は広告なんです。

知らず知らずのうちに、雑誌を買ってる人は広告の一端を担ってるんですよ。
読者も、広告の一部なのです。


◆売れるコミックスのワケ
じゃあ沢山「作品」が売れるにはどうしたらいいのか?
勿論「面白い」事が前提です。これは大前提としても、
世の中にはまだまだ面白くても埋もれてる作品って沢山あります。
じゃあ「売れてる」のと「売れてない」差って一体何でしょう?

読まれてる絶対数が違うんです。

300万部近くを誇るジャンプと、
50万部前後のチャンピオンだと、やはり読まれてる絶対数が違います。
これは純粋にコミックスの売上に比例してくるんですね。
勿論チャンピオンでもコミックスの売上が良い作品は沢山あります。
(「バキ」やら「舞-乙HiME」やら)
ただそれらの作品は雑誌以外での「広告」で売れてる要素もあります。
「バキ」であれば多大なるファンの口コミがあります。
「舞-乙HiME」はネット上での評判や、書店でのイチオシなどがあります。
要は「どれだけ人の目にその作品が触れるか」が勝負なわけです。


◆電子コミック市場が成り立つ為には
ここで「COMIC SEED!」です。

まず完全無料&登録不要でウェブ上で簡単に見れるマンガ、
というのは非常に魅力的ですし、敷居が低い。
これで一定の読者を獲得できます。
更には「こどものじかん」攻撃。

多くの読者に「COMIC SEED!」を見てもらう、という広告の方法において、
非常に素晴らしい広告であった、と思います。

要はうちのブログがこうして取り上げてるのも広告の一端を担ってるわけで。
こうして多くの読者を獲得していく事で、作品を読んでもらえる。
そうなれば「作品自体の批評」が各地で行われていく確率が増えます。
人は「口コミ」に非常に弱い。
面白い作品であれば、その数は間違いなく増えていくハズなんです。

こうしてコミックスが売れていく。

ここで初めてこのビジネスモデルが成功すると言えます。
どれだけ多くの読者(顧客)を獲得できるか。
どんなビジネスもそれが原点であり、最重要事項でもあります。
「COMIC SEED!」が示したその答え。
それはこれからの電子コミック市場が成長していく鍵があると踏んでいます。


◆電子コミック市場と雑誌コミック市場の未来はどうなる?
電子コミック市場が成長していけばどうなるか。

雑誌コミック市場は衰退するのか?
今の現状ではそれはないと考えています。
やはり雑誌の良さというのは電子コミックでは越えられない壁なのです。
手軽さ。
読んでいるという実感。

本は、読みたい時に、好きな場所で、好きな格好、好きなテンポで読むものなのです。

ベットに寝転がりながら読む、というのは電子コミックでは中々難しい。
椅子に座ってPC画面を見て読んでいく、
という作業は体感してる以上におっくうなのです。
更に自分の思うように読めない。
読み込み時間が自分のテンポを崩しちゃうんですよね。

だから紙媒体である「雑誌コミック市場」が廃れる事はないと思います。
・・・現状では。
というのも、気になるのが電子ペーパーの存在。


densipaper01.gif

これが折り曲げ可能であり、色々技術的な問題をクリアするのであれば、
この電子ペーパーの普及こそが鍵になるんでしょうね。
逆を言えば、電子ペーパーが普及しない限り電子コミック市場が爆発的に伸びる事はないかな、と。
厳密に言うと、「電子コミックを閲覧する為のモノ」であれば何でも構わないのですが、
今の段階で言えばやはり電子ペーパーがその座に一番近いんでしょう。

じゃあ電子コミック市場はどう成長していくのか?
今現状でも行われてますが以下の3点が鍵になるかと。

■実力のある新人の発表の場
■絶版になった作品の閲覧
■現状の作品の広告(1話だけの試し読みなど)


長くなりましたので、ここから先はまた次回。
携帯で見る電子コミックも含めた話をしていきたいと思います。


・・・久々に真面目な文章書いたら疲れましたw っつかなげー

-------------------------------------------------------------------
<参考記事一覧>

月刊WEBコミック誌「COMIC SEED!」創刊号

『COMIC SEED!』が4月28日に双葉社から復刊するらしい
コミックSEED!出版単行本まとめ
きづきあきら 缶詰の地獄「ぺんぎん書房倒産と今後の私について」
電子書籍:「ジパング」など3作品を無料配信
ネットによるマンガ配信、「できれば無料で読みたい」が83%

-------------------------------------------------------------------
こどものじかん 1 (1)
こどものじかん 1 (1)
posted with amazlet on 06.05.06
私屋 カヲル
双葉社 (2005/12/12)


ヨイコノミライ! (1)
ヨイコノミライ! (1)
posted with amazlet on 06.05.07
きづき あきら
ぺんぎん書房 (2004/05/28)
売り上げランキング: 27,097
おすすめ度の平均: 4.5
4 悪意
5 オタクで悪かったな畜生!!


勤務中異状なし
勤務中異状なし
posted with amazlet on 06.05.07
かずみ 義幸
ぺんぎん書房 (2005/08/25)
売り上げランキング: 142
おすすめ度の平均: 5
5 ロリ、お色気それ以上にギャグ




コメント
この記事へのコメント
はじめまして
コミック(及びCOMIC)SEEDに関して、大変勉強になりました。
思わずうちのブログにTBさせて頂きましたので、ひとつよろしくお願いします。
>手軽さ。
確かに、操作性・携帯性においていくら紙媒体に近づこうとしても無駄な筈。
電子ペーパーにしても、操作面では根本的な解決にはならない気がします。
ただ、デジタル的に映える絵の表現や、絵とテキストの個別管理、しおり=セーブ機能などの点において、ゲーム業界から多くの技術を学ぶ事が出来るのでは、と思っています。
 そういう意味で、漫画というものの形態自体の変化に期待しています。
2006/05/10(水) 03:22:58 | URL | 青ノクル #8TVO/t7Y[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
 SEEDといっても、21世紀最大ヒット作のあのガンダムには関係無いお話。WEBコミックの「コミックSEED」が「COMIC SEED」として復活したそうです。『電子コミックに未来はあるのか・上〜「COMIC SEED!」創刊は何を変える?〜 月刊WEBコミック誌「CO
2006/05/10(水) 02:50:30 | ZANSLINGER GIRL