「ちはやふる」という極上の物語、僕らはその情熱の虜になる。 |

また一つ、珠玉の作品に出会えた。
ページを捲る毎に震える。 張り詰めた空気に息苦しささえ覚える。 その空気に美しささえも感じ、そしていつの間にか深く引き込まれている。 そこはとんでもなく情熱的な世界。
「ちはやふる」
百人一首の歌の一つであり、在原業平が詠んだ歌。 その歌の、はじまりの言葉。 それは主人公である「千早」の名前と一緒の言葉だったのだ。 数奇な偶然が、少女の運命を捉える。 そしてその少女は、その美しき世界へと魅せられて行く。
競技かるた。
千早は、一人の少年との出会いによってその世界を垣間見る。 それは自分が知る“もの”とは全く別物だった。

これは単なるカードゲームの類じゃない。完全なる激しい“スポーツ”だと知る。
単なる反射神経などの身体能力のみの勝負じゃない。 高度な頭脳戦が繰り広げられる、まさにこれは「畳の上の格闘技」なのだ。 それは今まで何の将来の夢を何も抱いてなかった千早が出会った、”衝撃”だった。
そして千早はその世界へ引き込まれていく。
“衝撃”を教えてくれた綿谷新と ”楽しさ”を共有した真島太一。
二人の仲間を得て、少女はその世界へと足を踏み入れた。 さあ、ここから物語の幕が上がる。 百人一首の、鮮やかな句と共に彩られた青春が始まる。
綾瀬千早。

彼女は「かるた」で世界一のクイーンを目指す。
そんな彼女の情熱を綴った物語は、僕らの心を捉えて離さない。 断言しよう。それは極上の面白さだと。 「かるた」のイメージを180度変える。そんな作品なのだ。
┼────────────────────────────┼ ■ヒロイン・千早の魅力 ┼────────────────────────────┼
この作品はやはりヒロイン・千早を抜きにしては語れない。
僕は彼女に、少女漫画のヒロインらしからぬ"無垢なカッコよさ”を感じた。 その源にある「強さ」に、おおきく心惹かれる。 こんなにも惹き付けられるヒロインはおそらく久しぶりに見た気がさえする。
 「あたしが、太一に勝つんだ」
「かるた」を好きだという真っ直ぐな想い。 そして大好きな「かるた」で勝ちたいという一途な意思。 それらが千早の美しさと混ざり合って、思わず息をのんでしまう。
それを人は「感動」と呼ぶのだろう。
その強さに、僕らの心は動かされる。 その美しさに、僕らの心は魅せられる。 その想いに、僕らの心は締め付けられるのだ。
次に気がついた時は、もう千早の“虜”になっていた。
そんな稀代のヒロインは、とってもまぬけな女の子だ。 どんどん勝手に突っ走ってしまう女の子だ。 暴走する姿がとっても可愛く見えて、むしろ「かるた」の時とは別人にさえ見えてしまう。 そのギャップがまた、彼女の魅力なのだろう。

一途な彼女を、ただ単純に応援したくなる。
本当のヒロインって無意識でそうさせられるのです。 2008年、千早に出会えた事に感謝したいぐらい、この出会いは鮮烈でした。
┼────────────────────────────┼ ■「ちはやふる」の魅力とは ┼────────────────────────────┼
この作品の魅力は、勿論ヒロイン・千早だけのものじゃありません。 それだけじゃ"極上の物語”にはとても成り得ません。
何よりも「漫画としての完成度」の高さでしょう。
千早たちの情熱を最大限に引き出そうとするその描き方と、 「競技かるた」の世界をスピード感たっぷりに魅せる臨場感。 その二つが絶妙に重なり合ってるからこそ、あっという間にこの世界へと引き込まれるのです。

読んでる側も思わず息を止めてしまうぐらい、深い描写にただただ感心してしまう。
伝わってくる緊張感。 読者がその感覚を千早と共有してしまう。それって凄い事じゃないですか。 読んでて何か、息苦しくなるんですよ。入り込みすぎて。
まさに1コマ1コマから、情熱が溢れ出してくるようにさえ感じてしまう。
こういった"心”の魅せ方は少女漫画の強みでもあります。 それを「かるた」の世界へと、見事なまでに昇華させたのがこの「ちはやふる」という作品です。 これはもう作者である末次先生の技量と情熱に他ならないですよね。 素直に素晴らしい!と拍手喝采しちゃいます。
思わず"虜”になってしまう、そんな素晴らしいキャラクター。 グイグイ読ませて引き込まれる物語。 見入ってしまうほど深い描写力。
その3つが高いレベルで融合してる。それってもう名作の条件じゃないですか。

「マンガがあればいーのだ。」として、2008年少女マンガNo1作品に推したい。
それぐらい素晴らしい出会いでした。 それこそ千早が「競技かるた」の世界に出会った衝撃ぐらい、 僕はこの作品に衝撃を受けたのです。オススメ。
-------------------------------------------------------------------------- <参考> ⇒競技かるたを通じて描かれる少年少女達の一途なまぶしさ、『ちはやふる』1巻 ⇒間がいるから続けられることと、伝わっていく情熱 - ちはやふる
それにしてもホント千早は可愛いなぁあ!!(ゴロゴロゴロ)
と声を大にして言っちゃいます。うん可愛いよ。 美しさと可愛さの共存とでも言えばいいでしょうか。 なかなか区別がつきにくい(?)少女マンガのヒロインにおいて、 何かこう光り輝いて見える。うーん惚れてしまったのかもしれませんね。
で、やっぱり少女マンガだらこそ期待しちゃう恋愛模様。 2巻の時点ではまだまだ芽が生えたばかりという感じですが、 この情熱が恋愛方面で一体どんな想いを見せてくれるのか?今からもう楽しみだなー
末次先生は色々な試練を乗り越えてこの作品を生み出してくれました。 この業界、そういった試練をキッチリ乗り越えてきた人って強い気がします。 その強さが、作品に濃く反映してるのかもしれませんね。
あと「競技かるた」といえば少年チャンピオンで連載してた「かるた」もオススメ。 途中で中断してしまったのが残念でしたが・・・
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末次 由紀 講談社
おすすめ度の平均:   ハマった!  待望の連載  男でも読みやすい  最高!  この面白さは、まさに読まなきゃわからない
末次 由紀 講談社
おすすめ度の平均:   鮮やかな2巻  高校生編スタート  面白いです。  成長しても変わらないもの。
待望の3巻は12月12日発売との事。楽しみ!
末次 由紀 講談社
おすすめ度の平均:   忘れているものを思い出させてくれます。  祝、復活。祝、傑作完成。  おーーー!!  ☆★最高デス★☆  まさに天才漫画家☆゛ 「ちはやふる」でハマった人は、正統派作品でもあるこちらもオススメ!末次先生の凄さを知る。
竹下 けんじろう 秋田書店
おすすめ度の平均:   難しい題材を上手く描く良作  なかなか  知らなくても楽しめるって結構すごい事だと思ったり。
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【Amazonランキングウォッチ】(11/3~11/16) 今週の注目⇒「GIRL FRIENDS」 |
というわけで予告通り?予想通り?久々の更新となりました。 しかも2週間分まとめてやろうと思ったら予想以上に遅れてほぼ3週分に・・・ まあ言い訳はあとにして早速見ていきましょうか。
┼────────────────────────────┼ ■今週のAmazonランキングウォッチ(11/3~11/16) ┼────────────────────────────┼
※毎日23時~01時辺りのランキングを定点観測しております。
◆先週~今週までの動向◆

先々週までのトップ2を掻き分け、一気に「NARUTO(44)」がしばらくトップへ躍り出る。 そしてただいま色々騒動中(?)の「かんなぎ」既刊が大好評で上位にガツガツランクイン。 直近では最新6巻が1位、1巻も3位まで浮上した事も。その他既刊もベスト10内を席捲中。 アニメ終了まで、これはまだまだ伸びそうな予感も・・・
またジャンプ期待の新作「トリコ(1)(2)」も順調にセールス。 一般書店ではかなり早い段階で姿を消したとか。在庫がたっぷりあったAmazonでも頻繁に品薄へ。 重版もかなりかかってるようですね。
最近の動きでは「Rozen Maiden 新装版7 初回限定版」がベスト3内に。 新装版最終巻という事で豪華収納BOX付き、その他諸々特典という事で ファン御用達といった所でしょうか。YJ新連載版の発売も待たれるところ(12月発売?) ちなみにすでに予約受付終了?初回限定版の作品は早めに注文が吉ですね。
といったところでその他チェック作品をご紹介していきたい思います。
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某百合の偉い人も大絶賛!今年イチの百合作品とも名高い「GIRL FRIENDS」2巻が登場。
いやー毎度の事ながら表紙ですでに破壊力抜群。 そして今巻ではついに自分の気持ちに気付いてしまう主人公・まり。 それは自分にとっての初恋・・・だからこそ苦しむ。その姿がどこまでも綺麗で。 ああもうこの作品の全てを、この表紙が表してくれてるよね。
何度見ても胸を締め付けられます。 これはもう百合とかそんなんじゃなく、初めて恋をした少女の物語。 そんな風に感じながら読んでもらいたいです。そして2巻はまた気になるラストで・・・!
ちなみに既刊である1巻も新刊効果で上昇中。
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5巻は見所が満載!まずやっぱり冒頭。叶の浴衣姿がカラーでドーンと登場! やっぱ浴衣でしょう。浴衣だ。浴衣祭りだ。 しかし相変わらず娘が欲しくなる作品ですね・・・
そして極めつけは「児風呂」!!これはすごい。 想像しただけで何かね・・・もう・・・幸せな気分になりました。 「べ、別に、おかしくないよ、親子なんだから……」 この台詞に悶えぬパパ(希望願望含む)はいない!と断言できます。
娘と背中合わせで入る露天風呂。風情があっていいですよね。何の風情だ。 俺結局この作品の紹介、浴衣とお風呂しか言ってませんけど、もうそれが全てだから無問題。
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あの「ぬ~べ~」からのスピンオフ作品で、イタコのいずなが主人公。 「F速VIP(・ω・)y-~」さんの記事で紹介され、大幅ランクアップ。
まあ一言で言うとリミット(エロの)が外れた「ぬ~べ~」といった感じでしょうかw 連載当時からジャンプの中ではかなり過激な部類に入ってましたが、 晴れてそんな規制からも抜け出して伸び伸び書かれてます。 逆に規制がある方がエロいという話もありますが。その辺がエロの難しいところ。
どれだけエロくなったのかはこちらの記事を参照してみてください。(F速VIPさんが工事中の為) <参考> ⇒女子高生イタコ 霊媒師いずな1巻 「エロ妖怪のエロ事件」
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「ヨコハマ買い出し紀行」の芦奈野 ひとし先生の新作。
相変わらず多くは語らず「絵」で魅せる手法は変わらず。 もうほぼ完成形とも言っていいスタイル。相変わらずその世界に引き込まれます。 舞台は何故か地表が10倍の大きさになってしまったとある世界。 その為、飛行機が「自転車」のごとく気軽な移動手段となっています。 そんな突拍子もない設定。けどそれを許せてしまうキッチリとした世界観があるから凄いんですよね。 その辺は前作で培われたモノがしっかり受け継がれてる感じです。
このほのぼのとしたストーリーが肌に合うか合わないかで評価が分かれるかもしれませんが、 個人的には合いまくり。だってシロさんが好きなんですもの。 シロさんと一緒に空を飛ぶ。それだけで何かワクワクしてくる。 そう、何か不思議な高揚感がある、そんな作品なのです。万人受けはしないけど激しくオススメ。
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会員制ホストクラブ『なごみクラブ』を舞台にした人情物語。
ホストクラブ、と聞くと何か過激なストーリーを想像しがちですが、 この作品はタイトル通りホストクラブを通じて心がなごむエピソードのみを集めた物語。 過去のトラウマや孤独を抱えた女性だけではなく、 身寄りのない資産家のおばあちゃんや、ホストになった息子を探す母親。 店に入り込んだネズミを必死に擁護したり、店の前に置かれた赤ん坊に右往左往するホストたち。
そんな一風変わったなごみエピソードに癒されたい方へオススメ。 女性だけじゃなく男性の心もなごませてくれるはずです。なごみクラブ。
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Amazonランキング常連。常にトップ100内にいる、ある意味化け物的作品とも言えるかも・・・
TV放映があったりするとしばらく上位を席捲するぐらい根強い人気を誇る。 それもそのハズ、やはりナウシカの真価は単行本によってしか知る事が出来ないと思うのです。 映画は単行本の2巻途中まで、実際は全7巻の長編作品という事実を知った瞬間、 思わず手が伸びてしまう。そしてその面白さが口コミで広がってまた売れていく・・・ 素晴らしい作品が故に起こりうる美サイクルなんですよね。
いつか漫画版ナウシカの感想を書きたいなぁと思いつつ、上手く書ける自信がありません。 深すぎるんですよね・・・ナウシカの世界は。 いつか映画版も続きが作られたりする事は・・・ないんでしょうね。残念。 <参考> ⇒映画『風の谷のナウシカ』に続編があった?
"腐海”の誕生したその理由。終盤に至るまでの素晴らしき流れをぜひ未読の方へオススメします。 それにしてもTV放映があったわけじゃないのにベスト10入りするのは珍しい。何かありました?
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「801ちゃん」に続き、この作品が実写化(映画)される事が決定!
ある意味二大"腐女子”作品だけに、当然の流れ・・・なのか!? 2007年から続くこの流れはまだまだ続きそうな感じですね。 というわけで映画化発表の影響もあり、既刊ともに上位にランクイン。
個人的にはぺんたぶさんの描くY子さんの方が好きだったりします。 <参考> ⇒腐女子彼女。パート2 ⇒腐女子彼女。漫画化決定!!
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林 晃 松本 剛彦 森田 和明 グラフィック社 売り上げランキング: 344
絵が描けない人種・・・としては、絵師さんは敬意の存在であり、 絵を描く事は永遠の憧れでもあります。 いつかイチから勉強してみたい、そんな風に思ってる人も多いのではないでしょうか。 俺もそうです。よく「簡単でいいからイラスト描いてください」と言われるのですが、 いつも自分の描くイラストに絶望します。
ってなわけでこの手の本にはいつも心惹かれるんですよね・・・!一時期50位以内にもランクイン。 かなり評価も高そうですし、最低限ちょっとは見れるぐらいのレベルになってみたい。 というわけで今購入を考えてるところ。けど描く時間があるかどうかが一番の問題。
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紫式部 江川 達也 集英社 売り上げランキング: 71
なにやら今年は“源氏物語千年紀”らしいですね。 というわけで源氏物語に色々スポットが当たってるみたいです。
11/16(日)にETV特集で放映された「私の源氏物語」の中で江川達也氏がコメント。 その中で自信が描いた「源氏物語」に触れた事によるランクイン。 いつも思いますがTVの影響力のでかさをしみじみと感じてしまいます。
ちなみに源氏物語といえば「あさきゆめみし」を思い浮かべる人も多いのでは? 来年からアニメ化される予定だったのが頓挫したようで・・・ファンにとっては残念?それともOK? <参考> ⇒大和和紀が原作引き上げ!? アニメ『あさきゆめみし』が企画変更!
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美水 かがみ 角川書店 売り上げランキング: 457
Amazonは時々恐ろしいセールをする時があるんですよね。 もう70~80%OFFとか。限定版とかその辺りの商品がたまにやってるのを見かけます。 何なんでしょう。在庫が余ってしまったんでしょうか?それとも他所から流れてきたのを処分?
で、この「らき☆すた」も同様の運命みたいなんですが、 面白いのが「こなた」と「かがみ」両方とも同時にセールをやってたのに かがみの方はいつの間にか通常プライスに戻ってしまってる・・・こなただけ継続。 やっぱりかがみ派の方が多いんでしょうか。え?俺は勿論つかさ派です。色んな意味でね!
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今年も残りあとわずか、という事でトップ100の中にもカレンダーが続々ランクイン。 中でもビックコミックオリジナルの表紙を飾っている事でお馴染みの猫。そのカレンダーが上位に。 どんな部屋とも調和してくれる、そんな雰囲気が人気の秘密なのかもしれませんね。
昔は好きな作品のカレンダーとかをよく飾ってました。 中学生の頃とかは「3×3EYES」のやつとか。 だって単行本に申し込み用紙が挟まってるんですもの・・・!4年連続ぐらいで買ってたなぁ。
あと今年人気なのは「増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和」のカレンダーなど。 やっぱりカレンダーはめくる楽しみがあるやつがいいですよねぇ。
┼────────────────────────────┼ ■今後ランクインが予想される作品チェック(11/17~11/23) ┼────────────────────────────┼
ホントは月曜ぐらいに更新する予定だったから・・・ けどリストアップしたのを消すのも勿体無いのでそのままご紹介。
…………………………………………………………………………………… 【11月17日(月)】
連載本編ではなかなか激動の展開を迎えてる「ネギま!」ですが、 3巻連続のDVD付き初回限定版の真ん中となる24巻が発売。 アーニャが大活躍、温泉シーンもあるよ!!ってな感じのようでファンは必見というところでしょうか。 それにしても仕方ないのかもしれませんが高いよなぁ・・・(しみじみと)
…………………………………………………………………………………… 【11月19日(水)】
リクオとハルの物語「イエスタデイをうたって」も連載開始からはや10年が経つんですね・・・ 10年で6巻・・・いや、もう描かれるだけで嬉しいです。 冬目先生の作品で一番大好きなシリーズなので。
この6巻の発売と同時に「YESTERDAYS―イエスタデイをうたって画集」も発売。
…………………………………………………………………………………… 【11月20日(木)】
「おもらしマエストロ」の名をほしいままにする?中嶋ちずな先生最新作。 もちろん今回も漏らしてます。その辺の期待は裏切りませんね。 ストローで匂いを嗅いだり、触れたものがぱんつになったりと相変わらずすごい。 「いいなり!あいぶれーしょん」が好きだった人にはそのままオススメします。ええ。
…………………………………………………………………………………… 【11月21日(金)】
“胸を触ってもいい”・・・そんな衝撃(?)な引きでラストを迎えた3巻だっただけに、 4巻はある意味待望でした。果たして椿くんは卜部のおっぱいに触れるや否や!?
4巻は全体的に嫉妬する卜部の可愛さや、恥ずかしがる姿にドキドキです。 けど一番気に入ってるのは髪の毛をめちゃくちゃにされるエピソード。 ちょっと気持ちいいって感覚、何となく分かるのです。
で、今巻も気になるラスト。昔好きだった子って特別な存在なのです。うん。
相変わらず食べたくなる描写と、料理したくなる熱が混ざりあったほのぼの(?)作品。 ある意味淡々と進むのだけど、それがまた良いんでしょうね。 モーニング本誌で読むのと、単行本で読むのとでは何か違う感覚が。 一気読みした方が熱が溜まるかもしれません。
特製ビニールカバーとポストカードが付いた「限定版」も発売中。ファン向けですね。
---------------------------------------------------------------------------- <参考> ⇒【Amazonランキングウォッチ】10/27~11/2 今週の注目⇒「惑星のさみだれ」 ⇒【Amazonランキングウォッチ】10/20~26 今週の注目⇒「大東京トイボックス」 ⇒【Amazonランキングウォッチ】10/13~19 今週の注目⇒「クローバー」
⇒Amazonコミックベストセラー ⇒セブンアンドワイ - コミック - ランキング ⇒bk1 マンガ ランキング ⇒オリコン 週刊コミックランキング
今の状況だと1週間に1回このランキング記事を更新するのが難しそうなので、 2週間に1回・・・にしてみたいと思います。ええ。これが1ヶ月に1回になっていき、 そして段々更新自体がなくなっていくというシナリオ。計画通り!!
そろそろジャンプ感想系の記事も久々に書きたくなってきたので、 そっちに着手したいという気持ちもありまして。あと毎年恒例の年間ランキングの準備も。 更には冬コミに関してもちょこっとだけ動く予定なので、その辺も色々と、ね・・・スミマセン。
11月中には2008年のベスト3に入るぐらいオススメしたい作品のレビューを、 何とか書き上げたい思ってます。そちらもご期待下さいませ。 というわけでAmazonランキングはまた2週間後に・・・たぶん・・・
------------------------------------------------------------------------ ■今週のランキング再浮上作品
先月発売のこの作品が再び急上昇中。一時はベスト20以内へ。
29歳のエロゲ会社勤務男と、純真な中学1年生の恋物語。うう・・・設定だけで泣けてきます。 どっかでまたレビューされましたかね?いい作品だと思うのでもっと売れてもいいかなーと。 ともえちゃんが可愛すぎる。太陽のような子は見てて温かくなるのです。

時間あればプチレビューでもしたいなぁ。
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「少女ファイト」が“2008ブロスコミックアワード”大賞を受賞!! |

どこよりも早い2008年漫画の振り返り・・・!という事で、 今号の「TVBros」にて”2008ブロスコミックアワード”が発表されました。
今年1年を振り返る系の企画はボチボチ出始めてきてますが、 ことマンガというジャンルにおいては確かにかなり早い発表ですね。 というわけで普段TV情報誌(ブロスはちょっと毛色が違うみたいですが)というのを久々に購入。
で、栄えある「ブロスコミックアワード」2008年の大賞は・・・!

「少女ファイト」でした。
おおお、そこがきたかー!といった感じ。 今年4月に発売された4巻の盛り上がりが凄まじく、確かにある意味納得の大賞かも。 4巻発売当時の自分自身の感想でも超絶賛してましたし・・・
「このマンガがすごい!」でも2007年版で11位、2008年版も14位と常に上位にランクイン。 あとわずかでベスト10入り・・・!と、いつも惜しいところまできてます。 が、物語的にはまだまだ序盤。 4巻にして、ようやく主人公・練が過去の呪縛から解き放たれようとしています。 そこに至るまでの過程、そのエピソードの積み重ねがまさに秀逸。 作者である日本橋ヨヲコ先生の丁寧な仕事っぷりがうかがえます。
そんな序盤から抜群の面白さを誇るこの作品ですが、 巻が進むにつれてますますその面白さに磨きがかかっていきます。 そう、それはまるで一人の少女が成長していくかのように。
だから、これはまさに「進化を続ける作品」なのです。ストーリー的にも、キャラクター的にも。

今回大賞を受賞した日本橋ヨヲコ先生のインタビューが掲載。 その中でも登場するキャラについては下記のように語られてました。
「台詞や説明で終わらせずに、できるだけエピソードで見せる…ようにはしてます。 読者さんがそのキャラに対して『がんばれ』と思えるか思えないかって かなり重要なとこだと思うんですよね。 キャラクターは読者さんの感情があって、初めて形を成すものですから。」
なるほど、気がつけば魅力的なキャラに僕らは感情移入してしまってるんですよね。 そのキャラが泣けば心から悲しみ、そのキャラが笑えば僕らの頬も緩む。 そんな風に同調できるキャラがいるという事は、名作の必須条件なのかもしれません。

一つの試練が少女の人生を歪ませる。 “天才”が故に苦悩する己の道。 けれど運命は少女を戦う事から逃げさせてくれない。
少女は戦う事で、その試練を乗り越えていくのだ。

そしてその先にある、少女の笑顔。 あまりにもそれが綺麗で・・・思わず見惚れてしまいました。 だからこの後のシゲルの行動も、何となく納得いっちゃうわけで。
・・・いや、初読の時はびっくりしましたが。
さてそんなインタビューは丸々2ページたっぷり語られます。 その他にも誕生秘話や台詞についてなどが色々語られてたり・・・ 何より今後について聞かれた時のコメントが!
「打ち切られない限り、長期連載を予定してますので、長い目で見てやって頂ければと思います。」
長期連載になる事がしっかりと明言されてます。 いやもう、これはファンにとってはもう嬉しい話ですね。 だって、まだまだ序盤なハズなのにこれだけ面白いんですから。 そのもっと先にある“面白さ”を想像するだけで・・・ワクワクしちゃいますもの。
それにしてもイチ作品ファンとして、「少女ファイト」の大賞受賞は嬉しい限り。 未読の方は、この作品の濃密度にきっと驚くハズ。 漫画ってこんなに面白いんだ、 漫画ってこんなにアツいんだ。 そんな風にきっと感じれる、素晴らしい作品だからこそもっと光が当たってほしいですね。
日本橋ヨヲコ先生、おめでとうございます。そして今後も期待しちゃいますよ!!
…………………………………………………………………………………… <参考> ⇒TOKYONEWS WebStore TV Bros
⇒memo(日本橋ヨヲコ先生ブログ) ⇒王道を歩く『少女ファイト』 ⇒「少女ファイト」4巻特装版の学のノートが、ニヤニヤです。 ⇒GWにまとめて読みたい、4月新刊コミックおすすめ20冊!
ちなみに「TV Bros」は本屋で偶然この特集を見かけて購入しました。 大賞である「少女ファイト」以外にもいくつかの賞が設けられており、 そこで紹介されてる作品がなかなかマニアックなものが多く、色々参考にさせてもらいました。 もちろんメジャーなやつも沢山混じってましたが。
「ギャンブル部門」ではこの作品が1位w まあ今年の漫画界を震撼させた作品の一つですからね~。 今後も色々なところでランクインが予想されます。けど個人的には毛色が合わなかった・・・
で、日本橋ヨヲコ先生のインタビューについて最後ここだけピックアップしておきます。 現在連載中の作品で密かに楽しみにしてる作品はありますか?という質問に対し・・・
「やっぱり『HUNTER×HUNTER』でしょうか。どこでも言ってるんで、全然密かにじゃないんですけど。 あの作品は、どうしても時間がかかると思います。 あそこまで完成された世界ですと、 1コマですら、まさに1手も間違えられない軍儀のようになってらっしゃると思うので…。 個人的には冨樫先生が無理されないペースで最後までじっくり描き上げて欲しいと願っています。 あと絵の見せ方にも凄い技術がちりばめられてるんですよ。 それをあの線数にまでもっていくのは至難の技です。」

日本橋ヨヲコ先生も大絶賛のハンター。 こういう同業者(漫画家)の方から見た視点というのもまた面白いですね。 また違う角度から知れて改めてその凄さを感じるというか。
今年の「このマンガがすごい!」では2年振りにその対象となるだけに、 (単行本が発売してるのが選考対象作品となるので すみませんこの言い方は語弊がありました。正確には対象として見る人が増える、でした。) どこまで票を伸ばすか?楽しみですね。けどみんな当たり前すぎて投票しないんだろーなー。
……………………………………………………………………………………
日本橋 ヨヲコ 講談社
おすすめ度の平均:   スポーツマンガが苦手な人にも…  人間としてのリアリティが、ここにあります。  癖がね癖になるかどうかなんだよね…  はやく続きが読みたい  買うなら二巻と一緒に
日本橋 ヨヲコ 講談社
おすすめ度の平均:   久しぶりにゾクゾク  このマンガが熱い!  面白い!!  内容が濃い  あれ? いいじゃん。
日本橋 ヨヲコ 講談社
おすすめ度の平均:   日本橋ヨヲコ、初体験!!  よかった  特になし  バレー経験者の僕が  やっぱり
日本橋 ヨヲコ 講談社
おすすめ度の平均:   日本ならでは??  由良木(姉)の男前っぷりと来たらどうだ。  みんなを応援したくなる  スポーツから人生を学ぶ的な漫画  超人も魔球も出ないスポコン 実は個人的に伊丹(パンチラした)が好きだったりします。
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この育児漫画が壮絶に面白い!「ママはテンパリスト」 |

全ての子育てマンガを過去にする―――
なーんてのは言いすぎかもしれませんが、それぐらいの勢いで面白かった・・・! 久々に声出して笑いましたもの。クスクスとかじゃなくて、ギャッハハハハって感じ。 思わず「・・・大丈夫?」と心配されました。面白いから無問題。
いや、しかしさすが東村アキコ先生だなぁと。
今までも「きせかえユカちゃん」や「ひまわりっ」で散々やられてきましたが、 これはその代表作とも言える2作を超えるんじゃないかというぐらいのクオリティ。(笑いの) 父・健一でも散々笑かしてもらいましたが、 その健一すらも凌駕するのが・・・アキコ先生の愛息子・ごっちゃんなのです。

これは正直他人の子とは思えんね
いやーここまでぶっちゃけてる育児エッセイ漫画は初めて見た気がします。 今までも「ママはぽよぽよザウルスがお好き」とか「わたしがママよ」とか色々読んできましたし、 それらの作品も十二分に育児の辛さ・大変さ・楽しさを伝えてくれたんですが・・・ 何つーか、「ママはテンパリスト」は何かもう別次元で面白すぎる。
とにかくもうごっちゃんがすごい。傍若無人とはまさにこの事というぐらい。 表紙の王様&王子様風なのがピッタリ。 しかし母親である東村先生も負けてない。 そんなごっちゃんの生態を余す事なく笑いへと昇華させる。 いや当の本人からすると苦労の極みなんでしょうけど、もうこれは笑わざるを得ないよ・・・!
これが東村家の血なのか。

この母親にして

この息子アリなのか。
母乳って噴出するんだね・・・この漫画見て初めて知った衝撃。 何か神秘的にすら感じました。 まあこの後のオチがまた秀逸すぎて笑い転げました。 何か自然界の成り立ちみたいなものさえ見えてくる、そんな崇高な存在。母乳。
そしてそんな母乳を欲しがるごっちゃん。 おっぱい求愛ダンスはちょっと動画で見て見たいw おっぱいが欲しい人はぜひこれをマスターしてほしい。
それにしても子供ってあんなにおっぱい欲しがるものなのか・・・ 自分自身正直覚えてません。 けどその辺恥ずかしがってた気がする。 今思えばその時十二分に堪能しなかったからこそ、今こんなにおっぱいが好きなのか。 それとも俺が覚えてないだけで昔からおっぱいが好きだったのか・・・昔からおっぱいが大好きです。
さてなかなか断乳出来ないごっちゃん。 2歳になってもおっぱいを飲み続けています。これはまずい、という事で 東村先生はと様々な手段で断乳を試みるのですが、どれも失敗。そして最終的には・・・

とんでもない事に。
近所に自転車で言いふらすという暴挙。 ・・・やっぱり東村先生は父・健一の血を引き継いでます。 ホント恐ろしいのはこの作品が完全なるノンフィクションという事ですよね。 震えるぐらい愉快痛快すぎですよ!!
ちなみにノンフィクションだからこそ・・・そうです出てくるのです、その父・健一も!!

ちょこっとですけどね。
モーニング連載中の「ひまわりっ」で最近出番が少なくて寂しかったところなので こんなところで見れてすごく嬉しかったです。健一ファンは必見ですよ! 受け継がれる東村家の血・・・健一の姿を見て改めてその業の深さ(?)を感じたのでした。
いやー、それにしても面白かった。 ニヤリする作品が沢山ある。 けど声を出して笑ってしまう作品っていうのは実はけっこう少ない。 人前では色んな意味で読めない、こいつは間違いなく子育て漫画の傑作。 そういった作品に抵抗がない人には絶対的自信を持ってオススメできます。
偉大なる身内を、これでもか!というぐらいリアルに描いてくれる東村アキコ先生。 大変さが伝わってくると同時に、その楽しそうな姿も沢山感じられました。 辛いだけじゃなくて、沢山の幸せも描いてくれてる。 だからこそ、安心して楽しめる。脳みそ空っぽで堪能できる。

愛と笑いが溢れるぐらいに詰まった「ママはテンパリスト」が抱腹絶倒でオススメです。
※ちなみにAmazonの個別ページのl「なか見!検索」で何と丸々2話分が読めてしまいます! 気になる方はぜひそれを読んでみてから検討してみてくださいネ。 伝説の「ゴルゴ13断乳作戦~鶴光にならないで!!~」が読めちゃいます。これはかなり太っ腹。
-------------------------------------------------------------------------- <参考> ⇒東村アキコ・東村プロダクション・スタッフ日誌 ⇒東村アキコ:育児の苦労を赤裸々告白 エッセーマンガ「ママはテンパリスト」発売
この手の作品でAmazonで2話も大公開してる作品って稀ですよね。 それだけ出版社も中身に自信を持ってるって事でしょうか。 いや正直正解だと思います。しかも選んだエピソードが秀逸すぎるでしょw こういう見せ方、ぜひ他の出版社ももっと真似してくれないですかねー
いやー実際子育てをまだした事がないので 本当に大変なんだなぁ・・・という思いにしかまだなれないです。 実際に子育てをしてみたらこういう作品に対する視点もまた全然変わってくるんでしょうね。 すでに子持ちの方々からの評価がこの作品かなり高いみたいなので、 そういう意味で将来またこの作品を見え返した時に色々発見があるのかもしれないなぁ・・・ そんな風に思えるのもまた楽しみですよね。
これまた本屋で偶然見かけて買ったんですが、 東村アキコ先生のエッセイ子育て漫画・・・その事実だけで買うのに一切躊躇しませんでした。 だってその組み合わせ、絶対面白いのが保証できるじゃないですか。正直反則だと思いましたよw
というわけで今年のオススメベスト10に入るぐらいの勢いでオススメしちゃいます。
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東村 アキコ 集英社
おすすめ度の平均:   抱腹絶倒☆☆☆  今2歳児を育ててる人必読!爆笑です  等身大でお薦めです。  待ってました!!
東村 アキコ 講談社
おすすめ度の平均:   とにかくおもしろい!!  今もっとも活きが良くキレがよいギャグ漫画  湧き上がっちゃう…生きている喜び?  父、強し  ウザイけど憎めない親父
大久保 ヒロミ 講談社
おすすめ度の平均:   面白いよ!  あかちゃんの心の中をのぞけたら  産む前は笑えて、産んでからはちょっと泣ける  送り物に。  うちの事?:漫画編
青沼 貴子 幻冬舎 売り上げランキング: 204317
おすすめ度の平均:   こんな育児もあるんだ!  うーん…  わかるわかる!!
森本 梢子 集英社 売り上げランキング: 667335
おすすめ度の平均:   育児漫画で最高!  育児漫画で最高!  かわいい!
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その儚く優しい彩りに、心が小さく震えたよ。「イロドリミドリ」 |

思いもかけない出会いがある。
ジャケ買いの楽しさはそこにあって、その素晴らしい出会いは幾つもの失敗すら吹き飛ばす。 良質な作品に出会える喜びは、何物にも変えがたい幸せなのだと思う。 また一つ、自分の心が陥落た作品に出会えた。
「イロドリミドリ」
素直にその色遣いに魅せられた。 少年と少女を包む淡い色が心を捉えた。 まさかその「色」がこの作品にとって大きな意味を表すとは 最後の最後まで気付けなかった。僕はただただ"やられた”と思わされた。
何て優しい構成なんだろう。
素晴らしい読後感が僕を包み込んでくれた。 身体にゾクゾクっとしたものが駆け巡る。 それは良い作品に出会えた時にだけ駆け巡るもの。 “それ”は感動の「しるし」みたいなものだと認識する。
心が震える。
それはこの作品の主人公であるたまちゃんが、緑くんに初めて出会った時に起こった出来事。 図書館の中という静かな空間で、二人を彩る優しい光。 言葉には現せない、目に見えて見えるものでもない。 けど“それ”はそこにある。 確かにそこにあるんだ。

それは淡く儚い初恋の物語。
たった50ページしかない、一つの短い物語。 けれどそこに込められた気持ちに呆然と震えてしまったのだ。 そこにある大切な気持ちにひれ伏してしまう。 宝物を扱うかのように、この物語に触れていきたい。
ものすごい深い感動があるわけではない。 情熱的な愛が交わされてるわけでもない。 決して「傑作」や「超大作」でもない。 きっと自分の中でも、そのうち忘れてしまう作品なのかもしれない。 それでも、今この作品を読んで心に落ちてきた大切な気持ちはやっぱり宝物で。 自分の知らないどこかに残っていくと思うんだ。
 「心で見なくちゃものごとは、よく見えないってことさ」「かんじんなことは目に見えないんだよ」
とある童話で語られた一つの言葉。 その言葉の深さを、きっとこの物語の最後で初めて気付く事になる。 そして自分も目を閉じて気付くんだ。 自分の中の愛しくて、大切なものに。
とにかく一つ一つが大切に描かれています。 読み返せば読み返すほど、一つ一つのコマに多くの想いが込められています。 まるで一つのコマがキラキラと光ってるかのようにも感じられるのです。 それは短編であるからこその濃密度なのか。 作者である羽柴麻央先生の手腕によるものなのか。 きっとその二つともが正解で、その二つが奇跡のような調合で生まれた作品なのだと想う。
表題作である「イロドリミドリ」を含め、全部で4篇の短編を収録。 その全てがオススメできるエピソードになってて、1冊の短編集としてのレベルは相当高いのでは。

優しく繊細に描かれた言葉と表情。そしてモノローグ。
これを描けるのはやっぱり少女漫画なんだなぁって。 改めて気付かされたのですよ。 奇抜な設定とか、イケメンが出てきて活躍する作品とか。 それはそれでいいと思いますが、最近ちょっと食傷気味という方にこそオススメしたいのです。 少女漫画の原点みたいな優しさがここにあると思います。
とても素敵な、素敵な作品です。
けれど決して強い光は当たらない作品でもあります。 派手さは一切ありません。ただそこには震える程の優しさがあります。 もし少しでも貴方の心に引っかかったのなら手に取ってみてください。 きっと貴方の心にも何かを残してくれるハズだから。
騒々しい日常の中に、穏やかな光を。 その光は決して眩しくない。けれどキラキラ光ってる。綺麗な光が心を射す。 そんな良い作品に触れる喜びに、心が小さく震えるのです。
-------------------------------------------------------------------------- <参考> ⇒羽柴麻央『イロドリミドリ』(紙屋研究所さんの感想) ⇒『イロドリミドリ』羽柴麻央(Lエルトセヴン7 第2ステージさんの感想)
この作品に出会ったのはまさに偶然で。 表紙に惹かれたのではなく、よく書店などにある出版社作成のPOPを見て一目惚れした作品でした。 そこで作品名を見て、すぐにチェックして・・・ で、そのまま即購入までには至らなかったんですがやっぱり後日気になってしまって。 一度自分の心に引っかかった作品は、逃したらダメだなぁと改めて感じさせられた次第。
この短編集、やっぱりオススメは表題作である「イロドリミドリ」ですね。 一つ抜けてる感じです。が、その他のエピソードも負けじ劣らずのクオリティ。 「14歳の肖像」の展開には2度ほど裏切られてある意味心地よかったですし・・・ んでもって「糸と釦」のヤキモキした感じがもう甘酸っぱくて大好きですし、

掛け違えたボタン。
この話がこれまた上手くて深い。 思わず自分の人生を振り返ってしまう。掛け違えてきたボタンに思いを馳せてしまう。 けれど紡いできた糸に間違いはなかったって。 気付くのか、それとも紡いでる最中なのか。色々考えさせられた作品でした。
作者である羽柴先生は、お名前を見かけた事ありましたがやはりベテラン作家さんですね。 たぶん相当昔に何かの作品を読んだ事ある気がします。 作品全体に通じるこの上手さは、そんな簡単に出せるものじゃないですよ。 そして最後の書き下ろしの2ページ・・・必見です。
というわけで久々にガッツリオススメしてみました。 11月は他にも2~3作品ガッツリオススメしたい作品があるので、お楽しみに。オススメ月間です。
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羽柴 麻央 集英社
おすすめ度の平均:   愛しい緑  大傑作  一つ一つが傑作
羽柴 麻央 集英社
おすすめ度の平均:   柔らかい雰囲気*  せつないっす  泣けます!!!  素敵  素敵☆
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