
「ジャケ買い(表紙買い)」
それはマンガ好きにとって逃れられない業。 もうこれ以上マンガ増やしたら置く場所ねーよ!!とか思いつつも、 ついつい引き寄せられて買ってしまう。
時に表紙のイラストが好みだったり。 時に帯の文句にやられてしまったり。 時に単純にタイトルがツボだったり。
様々な要素が組み合わさって、僕らは「ジャケ買い」をしてしまうんだ。 時に失敗する事もあるだろう。 けどたまたま見つけて買ったマンガが当たりだった時の感動は計り知れない。 そしていつも常々思うんだ。
マンガは一期一会なんだ。
日々新刊が大量に刊行される世の中で、よっぽど「人気作品」じゃない限りは ある程度の年数が経てば限られた書店の本棚からは消えてしまう。 メガヒット作だとしても、10年経てば普通の本屋からは消えてしまっているのだろう。 だから、「知る人ぞ知る面白い作品」なんて言うのは、ホント1年経ったら完全に消えてしまってる。 大きい本屋なり、古本屋なり巡ればまた出会えるかもしれないが、 それは絶対ではない。平積みされてなかったら、背表紙だけだったら・・・ もしかしたらその時を逃したら一生出会う事がないかもしれないんだ。
だから、少しでも手にとった作品にピンと来たら。 買おう。 失敗してもいいじゃないか。 本当にいい作品に出会えた時の感動を一度味わったら、やっぱりこれはやめられないよ。
・・・というわけでおよそ2年近く振りの更新になります「ジャケ買い戦記」第2回目。 ここではジャケ買いして「大当たり」ではなかったものの、 「当たり」又は「光る何か」があった作品を中心に一挙に公開していきたいと思います。
<セレクト基準> ※一応2008年1月~8月までの間に買った作品の中から選んでます。 ※事前情報なく、本屋もしくはネットで見かけて買った本のみを挙げています。 なので作者買いとかでもありません。(ただ単に無知なだけという話でもあります) ※基本的に自分の直感を信じて買った作品たちです。
<この企画に至るまでの経緯など・・・参考記事> ⇒マンガ・ジャケ買い戦記vol.1
┼────────────────────────────┼ ■【"競馬”ד武器”×"美少女騎手”!乱舞するバトル競馬漫画「パカ☆RUN」】 ┼────────────────────────────┼
久々にその「設定」に震えて買ってしまった作品。 帯にあった言葉は、
「女の子が武器持って競馬したら、燃えますよね?」
燃えますよね!
馬と馬の勝負だけじゃない、そこには騎手と騎手の勝負がある。 この作品はホントに戦う・・・「刀」で相手を叩き落す!! その主役となる騎手たちは・・・全て美少女! 限られたルールの中で戦う少女たちが見れる、その喜びがこの作品にはあるのだ!
馬上で輝く戦いがある!それこそが「アンダーホースレーシング」。
主人公・佐々木ひなたは父親が遺した莫大な借金を抱え、一人奮闘しながら生きていた。 そんなひなたと偶然出会った「アンダーホースレーシング」のリーディング騎手・鳳麗子。 彼女はひなたのその身体能力の高さを見出し、地下競馬へと誘うのだった。
「地下競馬」とは一体どんなモノなのか?
ひなたはその知識が一切ないまま、「地下競馬騎手」として生きていく事を選ぶ。 そう、全ては弟や妹の為に、その借金を返済する為に・・! しかし通常の競馬よりも過酷なその競技は、当然の事ながら甘い世界ではなかった。 突然降ってきたデビュー戦、言われたのは・・・
「死なないでね」
そんな一言。 ひなたがこれから挑む世界は、そんなまさに生死を賭けるほど過酷な世界。 馬上で華麗に舞い戦う少女たちの舞台が、ここから始まる。
この設定にちょっとでもシビれた人は買ってみて損はなし!かな、と。 何より確かなのがこの画力。特に女の子の可愛さは折り紙付きなのだ。 表紙イラストの可愛さにやられたのならもう間違い無い。 次々に騎手を「撃墜」していくその少女たちの姿に、きっとゾクゾクするのではないだろうか。
こんな可愛い子が戦う姿に、読者が「撃墜」されていくのです・・・
「競馬」をベースにしてはいるものの、あくまで主体は「騎手」勝負。 それだけにそういった「競馬性」を期待するとちょっと肩透かしをくらうかもしれない。 が、そこに付加された“独自ルール”がなかなか秀逸。 それによって通常の競馬とはまた違った魅力が生まれており、 その設定の深さ次第で今後大きく化けるのではないかというワクワク感がある。
えてして「メジャー競技」から派生させたオリジナル競技は強く読者を惹き付ける魅力がある。 と同時に多くが“設定倒れ”していくのもまた過去に通ってきた道でもあるのだ。 「運」や「パワー勝負」だけではなく、その"オリジナル競技”にどれだけの戦略性を持たせられるか。 読者がワクワクする為に必要なモノは、おそらくそこに尽きる。 様々な戦略が飛び交う中で、少女たちが舞い戦うというその光景。 考えただけでゾクゾクしてきませんか。
まあとにかくその可愛さだけでも一見の価値はアリ。 巷に溢れる「萌え」やら「エロ」にフォーカスした作品とはやや一線を画す作品では間違いなくある。 あとは2巻以降にどれだけ化けるか・・・個人的には超楽しみにしてます。
今後「大当たり」になる可能性・・・アリかもしれませんよ?
┼────────────────────────────┼ ■【”変”はステータスです。そういう風に思ってる人は「変ゼミ」へGO!】 ┼────────────────────────────┼
変態は、楽しい。
・・・と書くと大いに語弊があるかもしれないが、事実そうなんだと思う。 僕らが普段エンターテイメントとして求めているのは「普通とは違うモノ」ではないのか。 「普通と違うモノ」とは“変態”ではないだろうか。 無論それだけではないかもしれない。 しかし僕らは常に“普通ではない何か”を求めているのもまた確かなのだろう。
人は皆変態なのである。
大なり小なりあるかかもしれないが、どこかしらに変態性を潜めているハズなのだ。 自分の胸に手を当てた時、どんな小さなモノでもいい、何かが見つかるハズだろう。 けどそれを隠して生きてくんじゃない。オープンにして生きるんだ。 思いっきり、全開にして。
それを学問にまで昇華させたのが「変態ゼミナール」・・・略して"変ゼミ”なのだ!!
「変ゼミ」のゼミ生たちは日々“変態”について研究を重ねていく。
一風変わった変態たちが登場し、 その性癖やら何やらが惜しみなく披露されていくのは圧巻の一言。 思わず引いてしまう人も多いかもしれない。 しかしそのどれもが完全に拒絶できない、自分の内にある何かに触れるのが否定できないのだ。
変態を、哲学する。
それをするのが何とも可愛らしい女の子たちがメインだったりするから堪らないわけで。 主人公(?)である松隆がそのリミッターを外す瞬間(外される瞬間)が・・・ とんでもなくドキドキするんだ。 自分の中の変態を刺激する、そんな作品なのです。
ってか恥ずかしながらTAGRO先生の作品をまともに読んだのはこれが初めてなんです。 (「げんしけん」6巻特装版の同人誌ゲストで登場した時に初めて知ったわけで・・・) 何つーか可愛さとポップさと変態が融合してる感じが新鮮な衝撃を受けました。 「変ゼミ」は元々シリーズ化(?)されており、 単行本では「変態生理ゼミナール」が前身としてあるので、そこから読むのが正解かも。 まあどこから読んでも変わらぬ変態っぷりは安心して読める。病み付きになるよなぁこれ。
「変態は潜在的欲望の偽りなき解放者だ!」
こういう名言が惜しげもなく散らばってる辺りが本当に素敵。 実際にこういうゼミがあっていいと思うし、是非学んでみたかった。 心理学とかのジャンルだと実際「変態」について研究したりするのでしょうか。
変態を自覚してる人も、そうでない人も。「変ゼミ」を読んで変態を感じてみませんか。
┼────────────────────────────┼ ■【“ボケ”と“ゆるゆる”のマシンガンが心地良いかも!「ぽんてら」】 ┼────────────────────────────┼
万人に受ける「ギャグ」って本当に難しい。
こと「シュールギャグ」とか「脱力系ギャグ」とかになると更に個人の感性次第になってくるので、 人によって大いに評価が分かれるんだろうなーとか思ってしまいます。 この「ぽんてら」がまさにそうで。 ひたすらハイテンションで突き進み、ギャグを畳み掛けていくその手法はガッツリ好みが分かれそう。 勢いで笑わせる感じで、個人的には実際ツボに入った時も・・・
所々ぶっ飛ぶ方向によってど真ん中ストライクが来たり来なかったり・・・
基本的に主人公の一人であるミサキちゃんが完全なるツッコミ役。 後は総ボケという事で、まさにボケがマシンガンのように降りかかってくる。 これがまたホントに1コマも休むヒマを与えないぐらい畳み掛けてくるのだ。 なので一度ツボに入るとそれが次々に入り込んでくるのでハマった時の破壊力はかなり高い。
反面、ハマらなかった時は何とも白けてしまうのもまた事実。 ただネームセンスが良いのか?テンポ良く読んでいけるので、実際あっという間に読めてしまう。 なので・・・万人には勧められない。 けどこれドツボにハマる人はハマリまくってしまう作品。 自分のツボに入った人にはぜひオススメしたい。
「試し読み」出来る環境があるのであれば、ぜひ一読してから買ってみる事をオススメします。
┼────────────────────────────┼ ■【僕らが憧れた世界が側にある。「ラジオでGO!」】 ┼────────────────────────────┼
ラジオって何か青春を感じてしまうんですよねー
おそらく20代後半以上の人達ならきっと分かってもらえるんじゃないでしょうか。 まだインターネットとかが普及してない時代。 多くの人が学生時代の夜に、ラジオを聴いて過ごしたと思うんですよ。 そこれそ「オールナイトニッポン」とか。この辺は今の10代の子たちも多く聴いてるのかな。
TVもラジオも、一般人の僕らにとっては手の届かない領域。
けれどラジオはTVに比べて僕らに圧倒的に近かった。 簡単には届かないけど、頑張れば少しだけ手を触れる事が出来るかもしれない、そんな存在だった。 スピーカーから流れてくるメッセージは、まるで自分にだけ話しかけてくれてるようで。 そんな“声だけ”だからこそ感じれる温かさがあったんだ。
「ラジオでGO!」はそんなラジオ番組に関わる人達のお話。
そんな設定だけで、ラジオに青春を感じる世代の人達はニヤニヤしてしまうんじゃないでしょうか。 パーソナリティの女の子たちが奮闘してる姿。 それは決して今まで見る事の出来なかった視覚的な楽しみがここにある!
・・・とか書いたけど、全然ラジオに関係ない話も沢山あったりしてw
アイドル的な存在である二人のパーソナリティーの女の子がワーワーキャーキャーしてる姿が、 何か微笑ましく、そして応援したくなっちゃってる自分がいて。 パーソナリティだけじゃなくディレクターや音響の人といった裏方の人までをも、 しっかりスポット当ててくれるからより深く入り込める。 この「ラジオでGO!」という架空の番組を思いっきり楽しめる作りになっているのです。
そこにある“作り手”としてのプロの魂。
それが可愛さの中に見え隠れするからこそ見てて気持ちいい。 ・・・とか言いつつもやっぱりこの可愛さは思う存分堪能してほしい!! 貴方はちとせ派?それとも沙絵さん派? いやいやもしかして綾子さん派か?(ってかこの作品で一番可愛いのは綾子さんだと思うよガチで。)
そして一番懐かしさを思い出させてくれたのがこの1コマ。
ラジオに限らず、自分が投稿したりしたのが採用された時の嬉しさって皆こうじゃない?
その場で「よっしゃー!」ってガッツポーズしちゃうの。 思わず周りの人に言いたくなっちゃう、みたいな。 そんなリスナーの姿もしっかりと描いてるのがこの作品の素敵なところなんじゃないかなー、と。
読み始めると素敵なキャラたちのお陰で思わずハマっちゃうこの作品、 ああ、何かネトラジやりたくなっちゃう気分にさせられちゃいます。 今は誰でもこうしてラジオが出来る時代。すごい時代になったものですよね。
┼────────────────────────────┼ ■【柔らかいは正義!ほんわか赤面ラブコメ「モモタノハナ」】 ┼────────────────────────────┼
僕らが女の子に惹かれる理由の一つに、その「柔らかさ」があると思うんだ。
その一つ一つのパーツ全てに、柔らかさがある。 それはもう、とろける程に気持ち良くて。 一度それを知ってしまったが故に、ずっとそれを求め続けてしまうんだ。
そしてこの「モモタノハナ」は、そんな「柔らかさ」が溢れすぎてる。
もう表紙からして柔らかそうじゃないですか。 ふくよかなお肉がもうはちきれんばかりじゃないですか。 柔らかさは優しさなんですよ。優しさは柔らかさなんですよ。 淡いタッチがそれを増幅させて、さらに僕らの心を鷲掴みにする。これはもう堪らない。
過剰なまでの「柔らかさ」の演出。ここまでされると埋もれ願望を刺激されざるを得ない。
「純情」×「赤面」×「柔らか」なんて反則スレスレですよもう! 疲労困憊で癒されたい時に最適な作品ですこいつは。
変化球なんてございません。 純情一直線、超ストレート・ラブ!! あまりにも純情すぎてもどかしい時も多々あるけど、 そのもどかしさこそが青春でもあります。だからいいんですこれで!
主人公への総フラグっぷりはまさにギャルゲーを見てるかのような展開。 ストーリー的に特に目を見張るような展開はほとんどございません。 ご都合主義といえばそれまでですが、その辺考えずに見るのが吉。 いいじゃないですか、ひと時の夢を見たって。 可愛くて巨乳で柔らかそうで純情な二人の女の子に同時に好意を持たれて、 それで悩みまくるなんて、そんな、そんな・・・
夢を見たくなるんです。だって男の子だもの。
悲しいのはこの夢が全1巻で醒めてしまう事かな・・・ Wヒロインの片翼であるうめちゃんがかなりツボだっただけに、 この1冊でしか見れないのは悲しすぎる。ぜひ続編が見たいです。 あと菊乃のメガネ外したバージョンもツボです。うーんツボだらけだね。
というかツッコミどころは満載・・・な作品でもあります。 明らかにぱんつ見えてんだろそれは!みたいな描写もあれば、 そのおっぱい描写がやりすぎだろ・・・みたいなものもあります。 更にはすんごい太ももが登場したりもします。 けど全ては「柔らかさ」へと集約されるんですよ。だからいいんです。細かい事は気にしない!
これぞ全方位・癒しマンガ。こんな作品を1つでも持ってると救われますよ。
------------------------------------------------------------------------- <参考> ⇒マンガ・ジャケ買い戦記vol.1
⇒【表紙買いはなぜ難しい?】エロマンガ買いで出来るだけ失敗しないための処方箋 ⇒ジャケ買いしてアタリだった漫画、ハズレだった漫画 ⇒文庫「ジャケ買い」時代
というわけで今回は5作品を紹介致しました。 これらの裏側には、ジャケ買いして「好みに合わなかった」作品たちも沢山あったり・・・ まあそれは自分の趣味とかツボの問題なので。
で、実は今回この記事を書くに辺り、14~15作品ぐらいピックアップしてたんですが、 それら全部レビューし終わってから記事をアップすると恐ろしく時間がかかるので、 分割してアップしたいと思いますー。 なので、
・ジャケ買い戦記Vol.3(Vol.2の続き編) ・ジャケ買い戦記Vol.4(少女マンガ編)
をそれぞれ後日アップする予定です。 1記事につき10日前後ほどお時間下さいませ。 「Vol.4」は少女マンガを一気に紹介したいと思いますので少女マンガ好きな方はお楽しみにー。
面白いマンガと、偶然出会えた時に喜びって最高に気持ちいい。
面白いは、快感なんだ。 その快感を求めて、今日もジャケ買いしちゃう日々。 家に帰るまで「ここにどんな面白いが詰まってるんだろう」ってニヤニヤする。 そんな時間があるだけでも楽しいから、やっぱりやめられないのよね。
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